動物の消化器系の病状で代表的なものは嘔吐や下痢や食欲不振ですが、単純に胃炎や腸炎だといった判断はできません。胃や腸の異常や、胆嚢に異常があったりする場合は切除手術が必要なこともあります。
そのほかにも、内臓が外に押し出されるヘルニア病態で、会陰部(肛門の周囲)や鼠径部のヘルニア、でべそ(臍ヘルニア)についても手術が必要となることがあります。当院ではそういった病態に対しての手術が可能です。
また、消化できないもの(竹串・おもちゃ・衣類など)を飲み込んでしまった場合に、お腹を切らずに安全に摘出することができる内視鏡(胃カメラ)を初めとした、様々な設備を整えております。
手術前
手術直後
手術後
手術前
手術後
拡張していない状態の胃
胃拡張胃捻転症候群の胃
動物も高い所からの落下やフローリング床での転倒、誤った抱っこや思わぬ外傷などで骨折や膝の靭帯を痛めることがあります。
犬や猫の骨折の場合、人間のように安静にしておくことが難しく、的確な手術を行い強固な安定化をはからないと、接合部がずれて骨が変形して固まったり、一生癒合しない場合もあります。
当院ではプレート内固定術・創外固定術を取り入れております。前十字靭帯の断裂に関しても人工支帯による関節制動術を行っています。
また、大腿骨頭への血行が阻害され、骨頭が壊死してしまう原因不明の病気、レッグ・ペルテス病で壊死した大腿骨頭を切除する手術も行っております。
手術前
手術後
手術後
手術後
手術前
手術後
歩き方がおかしくなったり運動を嫌がるようになると椎間板ヘルニアの疑いが出てきます。
背骨と背骨の間にクッションのように挟まっているクッション材のような組織である「椎間板」が何らかの原因で潰れて変形してしまった状態だというのは良く知られている事ですが、犬や猫の場合は下半身のマヒなどにも繋がることのある病態です。
主に事故などの外傷や、食べ過ぎなどによる体重増加、そして単純に老化などが原因ですが、犬種によっては遺伝的素因を持っている場合もあります。
当院では椎間板ヘルニアの場合に片側椎弓切除や脊髄減圧術を行っております。
手術前
手術後2週間
手術後4週間
手術後6週間
興奮した時や寝ているときに激しいいびきのような音をさせている場合は軟口蓋過長症の疑いがあります。重篤になると少し動いただけでゼーゼーガーガーと苦しそうに呼吸をするようになります。
パグやフレンチブルドッグ等の短頭種での病態が圧倒時に多いのですが、軟口蓋とは人でいうといわゆるノドちんこの辺りを指し、それが長すぎて気管の入口を塞ぐような形になった状態です。
また、よくイビキをかく、少しの運動でガーガーする、鼻水をよく飛ばすという場合には鼻腔狭窄症や短頭種気道症候群の疑いもあります。
いずれの場合も手術を行い、原因となる器官の構造を整復することになります。
手術前①
手術前②
手術後①
手術後②
体表や体内にできる「はれもの」「できもの」「しこり」は腫瘤や腫瘍と呼ばれる病態ですが、良性のものと悪性のものがあります。
見た目だけではどちらかの判断はできませんので、細胞の一部を摂取して検査を実施し良性か悪性かを判断します。悪性の場合は、進行度合いがとても早く他臓器に転移するため、切除手術が必要になりますが、良性の場合は経過観察を行うこともあります。
①
➁
③
①
➁
③
新しく犬や猫、うさぎを家族として迎えた時に、飼い主様が必ず考えなければいけないことが「避妊」です。
避妊手術をすると、女の子は乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの病気にかかりにくくなります。男の子の場合も前立腺肥大などの前立腺疾患の発生率を下げることができ、また、発情期がなくなりますのでマーキングや他の男の子との喧嘩が少なくなります。フェレットの場合は殆どはペットショップで去勢や避妊の手術をしている事が多いです。
また、出産を予定している子が短頭種であったり、5kg以下の小型犬腫である場合は難産になる可能性があり、その場合は帝王切開をすることがあります。
※当院では術後のストレスを最小限にする術式を採用しており、避妊/去勢手術後のエリザベスカラーや術後服の装着は基本的に不要です。
手術前
手術後
犬や猫、うさぎでおしっこが全くでない、おしっこをするとき痛そうになく、おなかの下のほうを触ると硬い感触があるといった場合は、膀胱や尿道に砂や石のような物質(結石)がたまってしまう尿路結石という病気になっている可能性が高いです。
尿路結石の位置やその大きさ、尿路閉塞を起こしている場合は摘出手術を行う場合があります。また、当院では外傷や交通事故などで尿道が断裂してしまった場合や前立腺に腫瘍がある場合も手術を行っています。
手術前
手術後
摘出した膀胱尿道結石
動物の眼病は外傷が原因になることがとても多く、喧嘩をしたりふざけすぎて眼に外傷を追ってしまう事が多いです。
目やにや涙が多い、あるいは眼が充血しているといった場合は角膜炎・角膜潰瘍・結膜炎・ブドウ膜炎・緑内障といった眼病の可能性があり、放置すると視力低下や失明・眼球摘出といったことが起こるので早めの治療が必要です。
まぶたに腫瘍ができる眼瞼腫瘤や、角膜に深い傷が出来てそこから細菌が侵入して炎症を起こす角膜潰瘍・穿孔、犬や猫の目頭の瞬膜の部分が赤く腫れ上がって飛び出す瞬膜腺脱出(チェリーアイ)の場合は、当院では手術を行うことが可能です。
手術前
手術後