犬猫ともに初めてワクチンを接種する際には、しっかりと免疫を作るために複数回接種が必要です。
また接種後に、顔の腫れ・注射部分の痛みや腫れ・食欲がない・元気がない などの反応が見られる場合があります。
その場合はすぐに当院までご相談ください。
日本では狂犬病予防の注射は法律で義務付けられています。
生後3ヶ月以上の犬は狂犬病ワクチンを接種し、市に犬の登録を行う必要があります。
登録済みの成犬
1年に1回予防注射を受けます。4~6月が一般的な予防接種期間となっていますが、当院では1年を通して予防接種を受けることができます。
未登録の成犬
生後3ヶ月を過ぎたらなるべく早く予防接種を受けます。
予防接種と同時に市区町村への登録を行います。
安全のために混合ワクチンの接種から1ヶ月以上間隔をあけ、狂犬病予防接種を受けるのが一般的です。その後は毎年1回予防接種を受けて免疫を補強します。
混合ワクチンを接種することで命に関わるような重い症状を未然に防ぐことができたり、様々な感染症を防ぐことができます。
どのようなワクチンをいつ接種するかは、生育環境や個体によって変わりますのでご相談ください。
病名 | 症状 | 対応ワクチン |
犬ジステンパー | 消化器や呼吸器、目などがウィルスにおかされる病気です。初期症状は下痢や鼻水、目やになどですが、重篤化すると麻痺やけいれんが起こり危険です。 致死率が非常に高く、回復しても神経症状が後遺症として残るおそれがあります。 |
6種 8種 10種 |
犬パルボウィルス | 感染すると数日のうちに急に元気がなくなり、激しく衰弱して下痢や嘔吐を繰り返します。脱水の悪化で死に至ることもあり、特に子犬では注意が必要です。 ウィルスは非常に丈夫で、消毒薬や日光消毒でも死滅しません。 |
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犬アデノウィルス1型 | 犬アデノウィルスは種類よって症状が異なります。このうちアデノウィルス1型は肝臓の機能不全を引き起こすため犬伝染性肝炎とも呼ばれています。感染すると元気がなくなり、下痢や嘔吐、肝炎による黄疸が起きたりします。 | |
犬アデノウィルス2型 | 犬アデノウィルス2型では、肺炎、気管支炎、扁桃炎など風邪に似た症状がでます。 | |
犬パラインフルエンザ | ウィルスが感染することで起きる呼吸器系の病気です。人のインフルエンザと同様に感染力が強く、大勢の犬がいる環境で多く発生します。アデノウィルスと同時に感染すると症状が重くなることもあります。 | |
犬コロナウィルス | ウィルスによって腸炎を起こします。発熱や、下痢、嘔吐が代表的な症状です。 | |
犬レプトスピラ | 細菌によって腎臓や肝臓がおかされ、風邪のような症状を起こします。軽症の場合そのまま治癒しますが重症になると肝機能障害や腎障害を起こし死に至ることもあります。人にも感染し、診断した医師は届け出る義務があります。 原因となる細菌は沼地や池にも存在するので注意が必要です。 |
8種 10種 |
猫の場合、法律で予防接種が義務付けられているわけではありません。しかし、愛猫を病気から守ったり、猫から人への病気の感染を防いだりするには予防接種は非常に大切なことなのです。
ワクチンの役割は、病気への抵抗性をあらかじめつけておくことで、万が一その病気に感染したとしても発症しなかったり、症状を弱めたりすることです。治療法のない怖い病気もありますので、油断せずしっかりと予防してあげましょう。
ワクチン接種について分からないことがあれば何でもご相談ください。
病名 | 症状 | 対応ワクチン |
猫ウィルス性鼻気管炎 | ウィルスによって風邪の症状が出る病気です。典型的な猫の風邪ですが、重症化すると肺炎などで死に至ることもあります。また、治ってもウィルスを持ち続けて、他の猫への感染源となってしまうことがあります。 | 3種 |
猫カリシウィルス感染症 | 猫ウィルス性耳鼻気管炎と同様に、くしゃみやせきといった風邪の症状が出るほか涙や目やにも出ます。重症化すると肺炎を起こしてしまうこともあります。 | |
猫汎白血球減少症 | 感染すると急に元気がなくなり、激しく衰弱してしまいます。子猫では非常に致死率が高い恐ろしい病気です。ウィルスは犬パルボウィルスと同様非常に丈夫で、消毒液や日光消毒も効きにくいという特徴があります。 |
フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫が心臓や肺動脈に寄生して起こる命に関わる病気です。フィラリア症の治療はどんな方法をとっても身体に負担がかかり、危険を伴います。正しく予防することで防ぐことができる病気ですので、確実に予防してあげましょう。
犬糸状虫という名前ですが、猫にも感染することがあります。猫の治療法は確立されておらず、やはり予防が最善の方法です。
ノミやダニは最も一般的な寄生虫です。森や林だけではなく、都会の公園や川原など、どこにでも生息しているので、散歩のたびに遭遇する機会はたくさんあります。
予防や駆除をせず、ノミやダニが付いたまま室内に入れてしまうと、動物たちだけではなく人間までいろいろな病気に感染したり、アレルギーに悩まされたりする原因になってしまうことがあります。
普段からノミやダニの予防、駆除を心がけることをおすすめします。