2024.05.24
犬と猫の避妊去勢手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、様々な病気を予防し結果的に平均寿命を延ばすことができます。また、発情期特有の鳴き声やマーキング行動も抑えることができます。
そこで今回は、犬や猫の避妊去勢手術の意味やしなかった場合のリスク、当院における手術の特徴などを詳しくお伝えします。
■目次
1.犬と猫が避妊去勢手術をする意味って?
2.犬と猫の避妊去勢手術のタイミング
3.当院の避妊去勢手術の特徴
4.うさぎの手術について
5.避妊去勢手術をしなかったときのリスクについて
6.避妊去勢手術後のご家庭での注意点
7.まとめ
犬と猫の避妊去勢手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、生殖器関連の病気の予防や発情期特有のストレスの軽減など、様々なメリットがあります。
オスの場合であれば、縄張り意識によるマーキングやマウンティング行動など、飼い主にとって悩ましい行動を減らす効果も期待できます。
犬も猫も生後約6ヶ月頃から避妊去勢手術を受けることが可能です。特にメス犬は、初回発情前に避妊手術を行うことで乳腺腫瘍や子宮蓄膿症の発生率を大幅に低減できます。メス猫についても生後6ヶ月前に手術を行うことで、同様の効果が期待できます。
避妊や去勢手術のタイミングは、それぞれの動物の成長速度や健康状態に左右されるため、手術の最適な時期についてはご相談ください。
当院の避妊去勢手術の特徴は、手術のリスクと手術後ストレスを最小限に抑える術式を採用しています。
従来の避妊去勢手術では、生殖器の摘出時に周囲の血管を糸で結紮(けっさつ)し、その糸が体内に残ることが一般的でした。しかし、この糸が「異物反応性肉芽腫」という合併症を引き起こす可能性が近年指摘されています。
当院ではこの問題に対処するため、出来る限り糸を使用せず、体内に糸が残ることがないよう特殊な止血機器を用いて手術を行っています。
一般的に手術後は、犬や猫が傷口を舐めるため、皮膚の縫合部が完全に治るまでエリザベスカラーの着用が必要とされています。しかし、エリザベスカラーは動物に大きなストレスを与え、食欲不振などの問題を引き起こすことがあります。
そのため当院では、体の外側に糸が露出しない特殊な縫い方を採用しています。この方法により、エリザベルカラーが不要となり、術後の不快感を軽減し、さらに、使用する糸は時間とともに自然に溶けるため、抜糸の必要がありません。
抜歯の必要はありませんが、術後の経過観察のためのご来院をお願いしております。
当院では、うさぎの避妊去勢手術も行っています。うさぎは犬や猫よりも麻酔の危険性が高い動物です。
当院では麻酔をかける際、ウサギ専用の特殊なチューブを使用して気道を確保します。これにより、緊急時でも安全に呼吸を維持できる体制を整えています。
避妊去勢手術をしない場合、子宮や精巣など生殖器の病気にかかるリスクが上がります。
・乳腺腫瘍
・子宮蓄膿症
・卵巣の病気(卵巣腫瘍など)
・精巣腫瘍
・肛門周囲腺腫
・会陰ヘルニア
・前立腺の病気(前立腺肥大など)
また、オス猫の場合、スプレー行為(濃いおしっこをかける行為)によって室内が汚れることが多く見られます。
犬においては、避妊去勢手術をしていない場合、散歩中に他の犬とのトラブルが発生するリスクがあります。特に大型犬の場合、飼い主様が引っ張られて怪我をする可能性もあります。
避妊・去勢手術後は性ホルモンの分泌が減少して代謝が落ち、太りやすくなります。
肥満を防ぐためには、術後の食事管理と体重管理をこれまで以上に気を遣うことが大切です。
当院の避妊去勢手術について、詳しくは下記をご覧ください。
京都北山動物病院┃医院案内
犬と猫の避妊去勢手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、様々な病気の予防や発情期における問題行動の解決にも役立ちます。当院では、術後のストレスを最小限にするよう、特殊な縫合術式を採用しております。
手術を受けるにあたって心配な点があれば、ぜひ当院へご相談ください。
京都市左京区 北山駅から徒歩5分、松ヶ崎徒歩7分 京都北山動物病院
℡:075-744-6188