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【獣医が解説】犬と猫の膀胱結石について┃頻尿、尿漏れ、血尿がみられたら要チェック

2024.08.25

愛犬や愛猫が突然、血尿や排尿痛などの症状で苦しんでいる様子を見かけたら、それは膀胱結石かもしれません。膀胱結石は、膀胱内に結石が形成されることで様々な症状を引き起こし、放置すると深刻な合併症を引き起こすことがあります。

今回は、犬と猫の膀胱結石について詳しくお伝えします。また、最近、うさぎの尿路結石で診察に来られる患者様が増えてきています。当院ではうさぎの診察も行っておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

 

■目次
1.膀胱結石とは?
2.膀胱結石の症状と早期発見のポイント
3.膀胱結石の診断方法
4.膀胱結石の治療法
5.日常生活でのケアと注意点
6.まとめ

 

膀胱結石とは?

膀胱結石は、膀胱内に石が形成される病気です。石の成分は、尿中に含まれるカルシウムやシュウ酸、リン、マグネシウムなどのミネラルが主体です。

〈犬の膀胱結石の特徴〉

犬の膀胱結石は、アルカリ性の尿で発生しやすい「ストルバイト結石」と、酸性の尿で発生しやすい「シュウ酸カルシウム結石」の2つが一般的です。

ほとんどのケースで膀胱炎など細菌が関係する尿路系の病気にかかっていることが特徴です。

〈猫の膀胱結石の特徴〉

猫の膀胱結石も、犬と同じくほとんどが「ストルバイト結石」「シュウ酸カルシウム結石」ですが、猫では特に、ストルバイト結石が多いといわれています。
犬の場合細菌感染が関与することがほとんどですが、猫の場合、感染と結石にはあまり関係がありません。

 

膀胱結石の症状と早期発見のポイント

膀胱結石の主な症状は以下の通りです。

頻尿
血尿
尿失禁や尿漏れ
排尿時の痛み (排尿時に苦しそうに鳴く・腹部を舐める)

また、膀胱結石を放置すると、尿道閉塞や腎不全、尿毒症などの重篤な疾患に繋がる危険性があります。そのため、頻繁にトイレに行く、尿に血が混じる、排尿時、苦しそうな様子が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

 

膀胱結石の診断方法

尿検査で、尿のpHや細菌の有無、潜血などを調べます。

また、レントゲン検査や超音波検査などで結石の有無を確認し、総合的に診断します。

その他、全身状態や腎障害の有無を評価するために血液検査も行います。

 

膀胱結石の治療法

膀胱結石の治療法は、結石の種類や大きさ、症状などによって異なります。主な治療法は以下の通りです。

食事療法
ストルバイト結石の場合、石が小さければ食事療法で結石を溶解することを目指します。低リン、低マグネシウムのフードによる食事療法が効果的です。

薬物療法
犬の場合、膀胱結石には細菌感染が伴うことが多いため、抗生物質や消炎剤を使用して、感染や炎症を抑える治療が行われます。また、膀胱からの出血がある場合は止血剤、痛みが強い場合は鎮痛剤など、症状に合わせた薬を使用します。

外科的治療(膀胱切開)
結石が大きい場合や食事療法で改善しない場合、手術で結石を取り除く必要があります。

 

日常生活でのケアと注意点

膀胱結石の治療後も、再発を防ぐために以下の点に注意する必要があります。

適切な食事管理
予防には、肥満にさせないことが重要です。また、人間の食べ物は与えず、年齢と体重に見合った専用のフードを与えましょう。

十分な水分摂取の重要性
水分摂取を促進することで、尿の濃縮を防ぎ、結石の形成を防ぎます。新鮮な水を用意し、水皿を複数用意したり、水が動くタイプの水飲み器を使用するなどの工夫が効果的です。

定期的な健康チェック
動物病院での健康診断を定期的に受けることも大切です。特に血液検査や尿検査で尿路系の健康を確認してもらうと良いでしょう。

当院での膀胱結石治療実績と症例紹介はこちらをご覧ください

 

まとめ

膀胱結石は犬や猫にとって不快な病気であり、放置すると危険な場合もあります。定期的な健康診断を受けたり、水をたくさん飲ませる工夫などで予防に努めましょう。できてしまった膀胱結石は、早期に気づけば比較的短期間で溶かすことができる場合もあります。異変に気づいた時には、早めに動物病院を受診しましょう。

初診の方はこちらから

 

京都市左京区 北山駅から徒歩5分、松ヶ崎徒歩7分 京都北山動物病院
℡:075-744-6188

 

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