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スタッフブログ

犬や猫のてんかん発作とは?|発作の兆候と適切な対処法

2024.10.25

てんかんは、犬や猫によく見られる神経疾患の一つです。発作が突然起こると、驚いてどう対処すれば良いか戸惑うこともあるでしょう。

だからこそ、てんかんの仕組みや発作の特徴を理解しておくことが大切です。

今回は、犬や猫のてんかんについて、症状や原因、そして発作の種類まで詳しく解説します。

■目次
1.犬と猫のてんかん発作の症状
2.てんかん発作の原因と種類
3.発作時の対処法と注意点
4.診断方法
5.治療法
6.まとめ

 

犬と猫のてんかん発作の症状

てんかん発作の症状は、犬と猫で少し異なることがあります。それぞれの特徴を理解して、早期に気づけるようにしましょう。

<気づきやすい初期症状>

てんかん発作の初期症状として、普段と違う行動や表情、焦点が定まらない目つき、落ち着かない動き、意味もなく口をペチャペチャ鳴らすなどの兆候が見られることがあります。こうしたサインに早めに気づくことが大切です。

 

<犬のてんかん発作の症状>

犬のてんかん発作では、全身がけいれんする、意識を失ってよだれを垂らす、泡を吹くといった典型的な症状がよく見られます。体がこわばって倒れる、または四肢を無意識に動かすこともあります。
さらに、自律神経の乱れが排便や排尿といった症状として現れることもあり、飼い主様が驚くことが多いでしょう。

 

<猫のてんかん発作の症状>

一方で、猫の場合は犬と比べて発作の兆候がわかりにくいことがあります。発作時には急に異常な動きを見せることがあり、たとえば急に走り回る、よだれを垂らす、体を縮めて動かなくなるといった行動が見られることがあります。
犬のように全身がけいれんするケースもありますが、猫では特に微妙な動きに注意を払うことが大切です。

 

てんかん発作の原因と種類

犬や猫のてんかん発作の原因には、先天性後天性の2種類あります。
それぞれの原因と発作の種類について詳しく見ていきましょう。

<てんかん発作の原因>

特発性てんかん(先天性)

「特発性てんかん」は、脳の構造に明らかな異常がないにもかかわらず発作が起こるタイプのてんかんです。原因がはっきりしないことが多いですが、遺伝的な要因が関与していると考えられています。

・構造的てんかん(後天性)

「構造的てんかん」は、脳に明らかな異常がある場合に発生します。これには、後天的な脳への外傷、脳炎、脳腫瘍、脳血管障害、または中毒などによるダメージが含まれます。

このタイプのてんかんは、発作の原因が明確に特定できるため、「症候性てんかん」とも呼ばれ、発症時期や症状の重さはさまざまです。

 

<発作の種類>

・部分発作

部分発作は、脳の一部で異常が起こることで、体の一部だけがけいれんする発作です。意識は保たれていることが多く、顔や足がピクピクと動くのが特徴です。範囲が限定されているため、発作に気づきにくいこともあります。

・全般発作

全般発作は、脳全体に異常が起こり、意識を失いながら全身がけいれんする発作です。発作中に倒れ込む、泡を吹く、失禁、全身の硬直やけいれんなどを伴うことがあります。

このタイプの発作は「強直間代性発作」と呼ばれ、初めて見る飼い主様には特にショックを与えるかもしれません。

 

発作時の対処法と注意点

愛犬や愛猫が発作を起こしたとき、飼い主様が落ち着いて適切な対応をすることが大切です。次のポイントに沿って行動してください。

・そばに寄り添い、安全な場所に移動させる
発作中は動物が周囲の状況を意識できなくなるため、ケガを防ぐために危険なものから離し、柔らかいマットやクッションの上など、安全な場所に移動させてあげましょう。

・時間を測る
発作がどれくらい続いているかを確認することが重要です。5分以上続く場合は命に関わる可能性があるため、すぐに動物病院に連絡してください。

・様子を録画する
発作の様子や持続時間を録画しておくと、獣医師の診断に役立ちます。

・静かな環境を保つ
発作中は音や光に過敏になることがありますので、テレビや照明を控えめにし、できるだけ静かな環境を整えましょう。また、大きな声で名前を呼ぶことも避けましょう。

・口や体を押さえない
動物が舌を噛まないように口を開けたり、体を押さえつけたりするのは危険です。無理に押さえつけると、飼い主様や動物がケガをする恐れがあります。

・水や食べ物を与えない
発作中は飲み込む力が低下しているため、水や食べ物を与えると誤嚥の危険があります。発作が完全に収まってからもしばらくは食事や水を控え、完全に落ち着いてから少しずつ与えましょう。

 

診断方法

・身体検査
発作が他の疾患によるものかを確認するため、獣医師が基本的な健康チェックを行います。心拍や呼吸の異常、脱水の有無など、発作以外に体の異常がないかを調べる重要なステップです。

・血液検査
発作の原因が代謝異常や感染症に関連している可能性があるため、血液検査を行い、異常を確認します。

・レントゲン検査
脳の詳細な画像は主にMRIで確認しますが、身体の他の部位に異常がないかを調べるためにレントゲン検査を行うこともあります。
特に心臓や肺の状態を確認し、てんかんと似た「失神」を引き起こす異常がないかチェックします。

・MRI検査
脳の内部を詳細に確認し、腫瘍や炎症、奇形などが発作の原因でないかを調べます。てんかんの診断において、最も重要な検査です。

・脳波検査
てんかんのタイプを特定するために、脳の電気活動を観察する脳波検査を行うことがあります。ただし、脳波検査は大学病院などの高度医療施設でのみ実施されることが多いです。

 

治療法

てんかんの治療には、抗てんかん薬が一般的に使用されます。

抗てんかん薬は発作の頻度を抑え、症状を軽減する効果がありますが、副作用として眠気や食欲の変化があります。そのため、獣医師の指示に従って、定期的に血液検査を行いながら投薬量の調整が必要です。

最近では、通常の治療では発作が十分に抑えられない治療が難しいてんかんに対して、「てんかん外科」と呼ばれる脳外科手術による治療の研究も進められています。

国内の大学でも試験的に治療が始まっており、将来的には新しい治療の選択肢として期待されています。

 

まとめ

犬や猫のてんかんは、早期に気づいて適切な対処をすることが重要です。発作の種類や症状は、犬と猫で異なることが多いため、日頃から愛犬や愛猫の様子をよく観察しておくことが大切です。特に普段と違う行動や仕草が見られた場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。

てんかんの診断には、身体検査や血液検査、さらにはレントゲンやMRIといった詳細な検査が行われます。治療の基本は抗てんかん薬による発作のコントロールですが、最近では新しい治療法も開発が進んでおり、治療の幅が広がっています。

愛犬や愛猫が安心して過ごせるように、日々の健康管理と早めの対応を心がけましょう。

 

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