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2024.10.25
「愛犬が下痢をしている…」そんな状況になると、飼い主様としてはとても不安になることと思います。特に、下痢がゼリー状だったり血が混じっていたりすると、その心配は一層大きくなるでしょう。
実際、下痢にはさまざまな原因があり、色や形状の違いに重要なサインが隠れていることも少なくありません。
今回は、愛犬の下痢の種類ごとに、その対処法をわかりやすく解説します。
■目次
1.下痢の種類と特徴
2.ゼリー状の下痢や血便が起こる主な原因
3.こんなときはすぐに動物病院へ
4.日常で気をつけたい予防法
5.まとめ
犬の下痢は、見た目や性質によって原因をある程度予測できることがあります。ここでは、代表的な下痢の種類とその特徴についてご紹介します。
・軟便
普段の便よりも水分を多く含み、柔らかくて形が崩れやすい便です。消化不良や軽いストレスが原因で起こることが多く、ほとんどの場合は短期間で治ります。
・水様便
水のようにサラサラとした便で、激しい下痢のサインです。脱水症状のリスクが高まるため、早急な対応が必要です。便の形がまったく保てず、水のようになっています。
・ゼリー状の便
粘液が混ざってゼリー状になっている便は、腸内に炎症が起きている可能性を示しています。腸粘膜が刺激を受けることで粘液が多く分泌され、便がゼリー状になることが多いです。
場合によっては、重大な病気の初期症状であることもあり、注意が必要です。
また、細菌やウイルスに感染して腸内に激しい炎症が生じた際にも見られます。
・血便
便に血液が混ざっているものです。赤い血が混じっている場合は、下部の消化器系(大腸など)での出血が疑われます。一方で、黒っぽい便は上部の消化器系(胃や小腸など)からの出血が原因であることが多いです。
下痢の種類によって考えられる原因はさまざまです。特に、ゼリー状の下痢や血便のような異常が目立つ場合には、原因を特定して早めに対処することが重要です。
ここでは、主な原因をご紹介します。
・食事関連の原因
犬は食事の変化に敏感で、新しいフードに変えたり、急に食べ物を変更したりすると下痢を引き起こすことがあります。また、人間用の食べ物や脂っこい食事を与えると、犬の腸が消化しきれずに、下痢や粘液が混じった便が出ることもあります。
さらに、食物アレルギーや食べ物の不耐症も原因となり、ゼリー状の便や血便が見られることがあります。
・感染症や寄生虫
感染症や寄生虫が原因で下痢を引き起こすこともあります。パルボウイルス感染症や細菌性赤痢といった感染症や、回虫や鉤虫など腸に寄生する虫が、血便や粘液が混じった便の原因になることが多いです。
これらの感染症や寄生虫が腸に炎症を引き起こし、出血や粘液の分泌が増えることがあります。
・ストレスや環境の変化
犬は環境の変化やストレスに敏感です。引っ越しや家族の変化、騒音や気温の変化などが犬に精神的な負担をかけると、下痢を引き起こすことがあります。
特に粘液が混ざった便は、ストレスによって自律神経が乱れ、腸の働きが鈍くなっているサインかもしれません。愛犬が安心して過ごせる環境づくりを心がけ、ストレスを最小限に抑えることが大切です。
・慢性疾患
腸や消化器系の慢性疾患(炎症性腸疾患など)は、ゼリー状の便や血便の原因となることがあります。
これらの慢性疾患は、進行すると治療が長引くこともあるため、定期的に動物病院で健康診断を受け、早期に異常を発見できるようにしましょう。
愛犬が下痢をしているとき、動物病院を受診するタイミングに迷うこともあるかと思います。次のような症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診してください。
・血便や黒色便が出る場合:消化管からの出血が疑われます。
・激しい嘔吐や発熱を伴う場合:感染症や中毒の可能性があります。
・24時間以上下痢が続く場合:脱水症状のリスクが高まります。
・元気や食欲がない場合:下痢とともに元気がなくなり、食欲が低下する場合は、体調不良のサインです。
・頻繁にトイレに行く、または痛がる様子がある場合:腹痛や不快感が強い可能性があります。
・子犬や老犬の場合:子犬や老犬は体力が少なく、軽い下痢でも脱水になりやすいです。
愛犬の体質やアレルギーに合ったバランスの良い食事を与えましょう。不要な間食や、人間の食べ物は避けるようにし、安定した食生活を続けることが大切です。
食器や水飲み場はこまめに洗い、常に清潔を保ちましょう。特に食事や水が腐りやすい季節には注意が必要です。衛生管理を徹底することで、感染症のリスクを減らすことができます。
環境の変化や生活リズムの乱れは、犬にとってストレスとなります。できる限りリラックスできる環境を整え、愛犬が安心して過ごせるように心がけましょう。
愛犬の健康を維持するために、定期的に動物病院で健康診断を受けることが大切です。早期に体調の変化を発見することで、大きなトラブルを防ぐことができます。
下痢の種類や症状にはさまざまな原因があり、特にゼリー状の便や血便が見られる場合は、重大な疾患が隠れている可能性があるため注意が必要です。
日頃から、適切な食事管理やストレスケア、そして定期的な健康診断を行うことで、愛犬の健康を守り、下痢の予防に努めましょう。
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