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短頭種気道症候群とは?|パグやフレンチブルドッグに多い呼吸器トラブルと予防法

2024.10.24

短頭種気道症候群」という言葉を耳にしたことはありますか? この病気は、パグやフレンチブルドッグなど、鼻が短くて愛らしい顔つきを持つ犬種に特に多い疾患です。

この個性的な見た目は多くの方に愛されていますが、実はその特徴が原因で呼吸が苦しくなりやすいという健康上の課題を抱えていることをご存じでしょうか。

今回は、短頭種気道症候群の症状や原因、そして日常生活でできる対策について詳しく解説します。

■目次
1.短頭種気道症候群の原因
2.短頭種気道症候群の主な症状
3.診断方法
4.治療法
5.日常生活での管理方法
6.まとめ

 

短頭種気道症候群の原因

短頭種気道症候群は、パグやフレンチブルドッグなど、鼻が短くて顔が平たい犬種に多く見られる呼吸に関する問題です。
この疾患は、短頭種の顔の構造が原因で、鼻腔や気道のスペースが狭くなり、呼吸がしづらくなることで引き起こされます。そのため、少しの運動や暑さでも息切れを起こしやすく、酸素を十分に取り込めないことがあります。

また、軟口蓋(喉の奥にある柔らかい部分)が長い場合、呼吸時に気道に落ち込みやすくなり、これも呼吸障害の原因となります。

 

短頭種気道症候群の主な症状

短頭種気道症候群の主な症状には、呼吸の困難、いびきの増加、そして熱中症にかかりやすくなるなどがあり、日常的な観察が欠かせません。ここでは、代表的な症状を詳しく説明します。

・呼吸困難

短頭種の犬は鼻腔が狭いため、空気の通りが悪くなり、呼吸が苦しそうに見えることがあります。特に「ゴーゴー」や「ヒューヒュー」といった音が鼻から聞こえる場合や、口を大きく開けて呼吸している場合は呼吸困難の兆候かもしれません。
この症状は散歩や運動のときに見られやすく、特に暑い日や湿度の高い日には悪化することが多いです。

・いびき

パグやフレンチブルドッグがいびきをかくのはよく知られていますが、いびきが大きくなり、頻度が増した場合は注意が必要です。いびきは、寝ている間に気道が圧迫されている証拠です。
慢性的な場合には健康リスクが伴うため、気になる場合は早めに獣医師に相談することをお勧めします。

・運動不耐性(少しの運動で息が切れ、疲れやすくなる)

短頭種の犬は、激しい運動や長時間の遊びが苦手で、運動後すぐに息切れを起こし、体温が上がりやすいのが特徴です。
散歩や遊びの後にすぐ息を切らして舌を出す仕草が見られる場合、運動に対する耐性が低いことを示しています。無理に運動を続けると、危険を伴うこともあるので、注意が必要です。

・熱中症のリスク増加

短頭種は体温調節が得意ではなく、呼吸によって効率よく熱を逃がすことができません。そのため、特に暑い季節には熱中症のリスクが高くなります。
夏場にはエアコンの効いた室内で過ごさせるなど、涼しい環境を整えてあげることが大切です。

熱中症についてはこちらで解説しています

これらの症状は短頭種特有のものであり、犬によって重症度や頻度が異なります。日々の生活の中で愛犬の様子をしっかり観察し、少しでも異変を感じたら早めに獣医師に相談しましょう。

 

診断方法

短頭種気道症候群の診断では、視診、聴診、そして画像診断を通じて、症状の重さや原因を詳しく確認していきます。
まず、犬の様子や鼻の形、呼吸の状態を観察し、呼吸が苦しそうに見えるか、鼻の形が気道に影響を与えていないかを確認します。

次に、聴診器を使って心臓の音や呼吸音を確認します。短頭種気道症候群の犬の場合、呼吸時に「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」といった音が聞こえることが多く、特に安静時や睡眠中にもそのような音が聞こえる場合は、より注意が必要です。

さらに、レントゲン検査では、気道がどれほど狭くなっているかや、肺に異常がないかを確認します。
必要に応じて、CTや内視鏡検査も行われることがあります。これにより、気道や鼻腔内の状態がより詳しく把握され、外科手術が必要かどうかの判断材料として役立ちます。

 

治療法

短頭種気道症候群の治療法には、手術治療、内科治療、そして日常生活での管理があります。愛犬の症状に応じて最適な治療や管理方法を選ぶことが大切です。

<手術>

短頭種気道症候群が重症化している場合、手術が選択されることがあります。手術の目的は、気道を広げて呼吸を楽にし、生活の質を向上させることです。

・鼻腔の拡大手術
鼻の穴を広げる手術で、鼻腔から取り入れる空気の量を増やします。これにより呼吸がしやすくなり、運動時や暑い時期でも息苦しさを軽減できます。
手術後は、呼吸音が改善されることが多く、軽度の症状であればこの手術だけで十分な効果が期待できます。

・軟口蓋の切除手術
喉の奥にある軟口蓋が原因で呼吸が妨げられている場合には、軟口蓋を短くする手術が有効です。この手術により、軟口蓋が気道に落ち込むのを防ぎ、スムーズな呼吸を可能にします。
ただし、手術後に喉の腫れや炎症が起こるリスクもあるため、術後のケアが重要です。

軟口蓋過長切除術の症例紹介はこちら

 

<内科療法>

内科的な治療としては、酸素吸入や投薬による対症療法が挙げられます。一時的に症状を改善することができますが、あくまでも根本的な解決にはならず、短期的な緩和に留まります。手術のリスクや回復期間を考慮しつつ、症状の進行や愛犬の状態に応じて選択することが大切です。

 

日常生活での管理方法

短頭種気道症候群は、日常の生活環境を整えることで症状を軽減できることがあります。以下のポイントを意識し、愛犬が快適に過ごせるようにサポートしましょう。

<適度な運動と体重管理>

短頭種の犬は呼吸が苦しくなりやすいため、激しい運動は避け、無理のない範囲で適度な散歩を心がけましょう。
また、運動不足は体重の増加につながり、肥満になると気道が圧迫されて呼吸がさらに苦しくなります。そのため、肥満予防は特に重要です。毎日の体重チェックを行い、健康を維持することが大切です。

 

<暑さ対策>

短頭種の犬は特に夏場に熱中症になりやすいため、涼しい環境を整えることが大切です。
散歩は涼しい朝や夕方の時間帯に行い、外出は短時間で済ませましょう。また、エアコンや扇風機を使って室内の温度を快適に保ち、愛犬が快適に過ごせる環境を整えましょう。 

 

<ストレスの軽減>

ストレスがかかると呼吸が乱れやすくなるため、生活リズムを一定に保ち、静かで落ち着いた環境を整えることが大切です。
特に興奮しやすい犬には、無理な運動や新しい刺激を与えすぎないようにし、安心して過ごせるように配慮しましょう。

 

<こまめな健康チェック>

愛犬の呼吸状態や日常の様子をよく観察し、異常が見られた場合はすぐに動物病院へ相談することが重要です。いびきがひどくなったり、散歩後に息切れが長く続いたりする場合は特に注意が必要です。

 

まとめ

短頭種気道症候群は、パグやフレンチブルドッグなど、顔が平たい犬種に多く見られる呼吸がしづらくなる疾患です。愛犬の健康管理には、日々の観察と細やかなケアが欠かせません
主な症状として、呼吸が苦しくなることやいびきが増えること、熱中症のリスクが高まることが挙げられ、重症の場合には手術が必要になることもあります。

日常生活では、体重管理や涼しい環境づくり、適度な運動が症状の軽減に効果的です。
愛犬が快適に過ごせる環境を整え、少しでも気になることがあれば、早めに獣医師に相談することが大切です。

 

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