スタッフブログ
2025.09.02
愛犬や愛猫が急に歩けなくなったり、足を引きずるようになったりすると、飼い主様としてはとても不安なお気持ちになることと思います。
中には、整形外科の手術が必要になるケースもあり、手術そのものはもちろん、術後の回復や日常生活への影響についても、さまざまな疑問や心配ごとが生じるかもしれません。
このような不安を抱える飼い主様のために、当院では、専門性の高い整形外科手術と、その後の丁寧なケアを行っております。
そこで今回は、当院で行っている代表的な整形外科手術の種類をはじめ、手術までの流れや術後ケアのポイントについて、わかりやすくご紹介いたします。
■目次
1.当院で実施可能な整形外科手術
2.術前検査と手術の流れ
3.当院の整形外科手術における特長
4.術後ケアとフォローアップについて
5.まとめ
当院では、以下のような代表的な整形外科手術に対応しております。
愛犬・愛猫の状態や生活の質をしっかりと考慮しながら、最適な治療法をご提案いたします。
◆骨折固定手術
骨折の状況に応じて、「プレート内固定術」または「創外固定術」を選択します。
プレート内固定術では、骨折した骨を元の位置に整復し、チタン製やステンレス製のプレートをネジで固定することで、骨の安定を図ります。
一方、創外固定術では、皮膚の外側にフレームを取り付けて骨を安定させる方法で、開放骨折や皮膚の損傷が大きい場合などに適しています。
◆大腿骨頭切除術(レッグ・ペルテス病)
主に小型犬に多く見られる「レッグ・ペルテス病(大腿骨頭壊死症)」は、大腿骨の付け根にある骨頭が壊死し、強い痛みや歩行困難を引き起こします。
この疾患に対しては、壊死した大腿骨頭を切除する「大腿骨頭切除術」を行い、痛みの原因を取り除きます。
術後は、周囲の筋肉によって「偽関節」が形成されることで、再び自力で歩けるようになることがほとんどです。
◆前十字靭帯断裂の関節制動術
中型〜大型犬によく見られるのが、前十字靭帯の損傷や断裂です。これは、急な方向転換やジャンプ、加齢などが原因となり、膝関節の安定性が失われてしまいます。
当院では、関節のぐらつきを抑えるための「関節制動術(関節を安定させる手術)」を実施しています。
靭帯の役割を補い、痛みを軽減しながら、歩行機能の回復を目指します。
また、骨の角度を調整することで関節を安定させる「TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)」にも対応しており、特に運動量の多い中型〜大型犬や再発リスクの高い症例において、高い安定性と術後の機能回復が期待できる治療法です。
◆膝蓋骨脱臼整復術
小型犬に特に多い膝蓋骨脱臼(パテラ脱臼)は、膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置から外れてしまう疾患です。
当院では、膝蓋骨の位置を安定させるために、関節の溝を深くする処置や、靭帯・腱の位置を調整する手術を行っています。
手術を行うかどうかは、脱臼の程度や日常生活への支障の有無、自然に治る可能性などを総合的に判断し、飼い主様と十分にご相談のうえで決定いたします。
手術を安全に、そして確実に行うためには、事前の検査が欠かせません。
当院では、状態を正確に把握するために手術前に必要な検査をしっかりと行い、手術の安全性と成功率を高めています。
・触診・視診:歩き方や関節の動き、痛みのある部位などを確認します。
・神経学的検査:足先や体の反応を見ながら、神経の異常がないかを調べます。
・レントゲン検査:骨の折れ方やズレ、関節の変形などを詳しく確認します。
・術前血液検査:麻酔に耐えられる体調かどうか、内臓の状態などをチェックします。
・必要に応じたエコー検査:関節や靭帯、筋肉の損傷の有無を評価するために実施します。
これらの検査結果をもとに、愛犬・愛猫にとって最も適切な治療方法を決定してまいります。
また、飼い主様にも検査結果や今後の治療方針を丁寧にご説明いたしますので、ご安心ください。
手術時間は選択する術式や症状によって異なりますが、目安としてはおおよそ1〜4時間程度です。
入院期間は、膝蓋骨脱臼や骨折の場合で4〜7日程度が目安です。ただし、状態や回復のスピードによって短くなったり、長引く場合もございます。
費用は症例や手術内容により変動しますが、以下は目安となる金額です。(術前検査・麻酔・手術・入院費を含む概算)
・膝蓋骨脱臼整復術:約30万円〜
・椎間板ヘルニアの手術:約20万円〜
※正確な費用は、診察と検査の結果を踏まえて個別にご案内いたします。
ご不明な点やご心配なことがございましたら、遠慮なくご相談ください。
当院では、「幅広い整形外科疾患への対応力」と「的確で丁寧な診断力」を強みとして、多くの犬や猫の治療にあたっております。
症状の原因を正しく見極めたうえで、できるだけ身体への負担を軽減し、より良い回復が得られるように心がけています。
◆膝疾患への専門的アプローチ
膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂といった膝関節のトラブルに対して、当院では特に力を入れて診療を行っています。
症例ごとに最適な方法を選べるよう、独自の治療プロトコルを整備し、診断から手術・リハビリまで一貫して対応しています。
また、一般的な動物病院ではあまり実施されていない関節のエコー検査(関節超音波検査)も導入しており、靭帯や滑膜、関節包といった軟部組織の損傷まで詳細に評価することが可能です。
◆レッグ・ペルテス病への早期対応
小型犬に多く見られる「レッグ・ペルテス病(大腿骨頭壊死症)」は、早期の診断と手術が回復のカギとなります。
当院では、骨頭の壊死や変形が進行する前の段階で「大腿骨頭切除術」を実施し、痛みの軽減と歩行機能の回復を目指します。
手術後は、筋肉による偽関節が形成されることで、再び自分の足で歩けるようになることがほとんどです。
◆骨折治療における豊富な経験
当院では、さまざまな骨折のケースに対応できる技術と経験を活かし、骨折の種類や重症度に応じて「プレート内固定術」や「創外固定術」を使い分けています。
また、小型犬から大型犬まで、年齢や体格、骨の状態に合わせて個別に手術設計を行い、できるだけ早く元の生活に戻れるようにサポートしています。
手術はゴールではなく、回復へ向けた大切な第一歩です。
当院では、手術後の経過管理やフォローアップにも力を入れ、愛犬・愛猫が少しずつ元の生活に戻れるよう、しっかりとサポートしてまいります。
術後はスタッフが常時状態を観察し、痛みのコントロール、感染予防、食欲や排泄のチェックを行います。
無理に動かすことはせず、それぞれに合わせた静かで安心できる環境を整え、回復に集中できるように配慮しています。
退院時には、運動制限の目安、散歩の再開時期、ご自宅での注意点、などをわかりやすくご説明いたします。
また、段差や滑りやすい床の対策といった生活環境の調整についても、具体的なアドバイスをお伝えしますので、安心してご自宅でのケアを始めていただけます。
退院後も、1〜2週間ごとの再診を通じて、回復の進み具合を丁寧に確認いたします。必要に応じて、追加の画像検査やお薬の調整を行うこともあります。
当院では、手術をして終わりとは考えていません。「再び歩けるようになること」こそが、真の意味での治療の完了だと考えております。
特別なリハビリ設備がない場合でも、段階的な運動の再開と個別に応じたアドバイスによって、多くの犬や猫が元のように歩けるようになっています。
焦らず、ひとつひとつ確実に進めていくことが、術後の後遺症を防ぐうえでもとても大切です。
また、飼い主様のご不安やご心配にも丁寧に耳を傾けながら、寄り添いながら一緒に回復を支えていくことを大切にしています。
整形外科の手術は、決して軽く決断できるものではありません。
しかし、適切なタイミングで正しい処置を行うことで、愛犬・愛猫の生活の質は大きく向上し、再び元気に歩くことも十分に可能です。
当院では、術前の検査から術後のケアまで一貫して丁寧に対応し、愛犬・愛猫が安心して治療を受けられるように努めています。
骨折、靭帯損傷、関節のトラブルなどでお困りの飼い主様は、どうぞお気軽にご相談ください。
京都市左京区 北山駅から徒歩5分、松ヶ崎徒歩7分 京都北山動物病院
℡:075-744-6188