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2026.06.05
「最近、立ち上がるのに時間がかかるようになった」「散歩の途中で立ち止まることが増えた」など、愛犬や愛猫の動きの変化が気になっていませんか?
こうした変化は年齢によるものと思われがちですが、関節の痛みや筋力低下が関係していることも少なくありません。特に犬や猫は痛みを我慢したり隠したりすることも多いため、気づいたときには症状が進行しているケースもあります。
関節トラブルは、生活環境や日常ケアを見直すことで、負担の軽減につながることがあります。そこで今回は、高齢の犬や猫に多い関節トラブルや、ご自宅でできるサポートについて詳しく解説します。
■目次
1.高齢の犬・猫に多い関節トラブルとは
2.まず見直したい|生活環境の改善ポイント
3.日常でできるケア①温めるケア(温熱療法)
4.日常でできるケア②マッサージと軽い運動
5.サプリメント・食事の考え方
6.こんなサインは要注意|受診の目安
7.動物病院でできるサポート
8.まとめ|毎日の工夫が関節への負担軽減につながります
シニア期の犬や猫では、加齢による関節の変化が少しずつ起こってきます。
そのなかでも代表的なものが「変形性関節症」です。これは、関節のクッションの役割をしている軟骨がすり減り、炎症や痛みが起こる病気です。
また、年齢とともに筋力が低下すると、関節を支える力も弱くなり、さらに関節への負担が大きくなることがあります。
さらに、犬や猫は関節に痛みや違和感があっても、本能的に不調を隠そうとすることがあります。そのため、飼い主様が気づかないうちに負担が積み重なっているケースも少なくありません。
関節の不調を放置すると、痛みから動かなくなり、さらに筋力が落ちることで関節への負担が増えるという悪循環につながることがあります。そのため「年齢のせいかな」と済ませず、早めに変化に気づいてあげることが大切です。
関節への負担を減らすためには、毎日の生活環境を整えることがとても重要です。
🔶 滑りやすい床への対策
フローリングは足が滑りやすく、関節や筋肉に大きな負担がかかります。
特にシニア期では踏ん張る力も弱くなるため、滑ることで痛みが悪化したり、転倒につながったりすることがあります。マットやカーペットを敷き、滑りにくい環境を整えてあげましょう。
🔶 段差を減らす
ソファやベッドへの上り下りも、関節には負担になります。
必要に応じてスロープやステップを設置し、無理なく移動できるように工夫することが大切です。
🔶 寝床の位置を見直す
寒さは関節の動きに影響することがあります。
寝床は冷えにくく、静かで落ち着ける場所に設置しましょう。また、移動距離が長くならないよう、生活動線も意識してあげると安心です。
🔶 トイレや食器の高さを調整する
低すぎる姿勢は、首や関節への負担になることがあります。
体格や状態に合わせて、食器台などを活用するのもひとつの方法です。
関節は冷えると動きづらくなり、痛みが強くなることがあります。一方で、適度に温めることで血流を促し、関節周囲の筋肉がほぐれやすくなることが期待できます。
例えば、次のような方法があります。
・温タオルを当てる
・ペット用ヒーターを使用する
・毛布などで冷えを防ぐ
冬場だけでなく、夏場の冷房による冷えにも注意が必要です。
長時間同じ場所を温め続けると、低温やけどにつながることがあります。
特にシニア期では感覚が鈍くなっている場合もあるため、温度や使用時間には注意しましょう。
関節への負担を減らすためには、筋肉の柔軟性や筋力を保つことも大切です。
関節周囲の筋肉をやさしくほぐすことで、体のこわばりが和らぐことがあります。マッサージを行うときは、以下の点に気をつけて行いましょう。
・強く押さない
・ゆっくり優しく触れる
・嫌がる場合は無理をしない
痛みが強い部分を無理に触ると、逆に負担になることもあります。
「関節が悪いから動かさない方がいい」と思われることもありますが、まったく動かない状態が続くと筋力低下につながります。
そのため、無理のない範囲で、短時間・低負荷の運動を継続していくことが重要です。状態に合わせて、ゆっくりした散歩や軽い遊びなどを取り入れていきましょう。
「関節のために何かしてあげたい」と考えたとき、サプリメントや食事について気になり始める飼い主様も多いのではないでしょうか。関節への負担を減らしていくうえでは、毎日の食事や体重管理も大切なポイントになります。
サプリメントには「グルコサミン」「コンドロイチン」「オメガ3脂肪酸」など、関節の健康維持を目的とした成分が含まれているものがあります。
ただし、効果の感じ方には個体差があり、サプリメントだけで関節トラブルが改善するわけではない点には注意が必要です。
体重が増えると、その分だけ関節への負担も大きくなります。
そのため、適切な体重を維持することは関節ケアにおいて非常に重要です。
サプリメントにはさまざまな種類があり、体質や持病によっては注意が必要な場合もあります。「体に良さそうだから」と自己判断で使うのではなく、獣医師と相談しながらその子に合ったものを選ぶことが大切です。
関節トラブルでは「なんとなく気になる変化」から始まることも少なくありません。例えば、次のような変化は、関節の痛みや違和感が関係している可能性があります。
・立ち上がりに時間がかかる
・歩き方がぎこちない
・足元がふらつく
・散歩を嫌がる
・途中で立ち止まる
・抱っこや触られるのを嫌がる
犬や猫は痛みを我慢することも多いため、元気そうに見えても実際には負担がかかっているケースがあります。「少し気になる」という段階で相談していただくことが、状態悪化の予防につながることも少なくありません。
関節トラブルでは、ご自宅でのケアに加えて、動物病院でのサポートを組み合わせることも重要です。
状態に応じて、
・痛み止めなどの内服治療
・注射による痛み管理
・リハビリテーション
・生活環境のアドバイス
などを行うことがあります。また、進行度によっては保存療法だけでなく、外科的な治療が選択肢になる場合もあります。
京都北山動物病院では、関節の状態や生活環境を確認しながら、その子に合った治療やケア方法をご提案いたします。
高齢の犬や猫では、加齢による関節の変化や筋力低下が少しずつ起こってきます。しかし、生活環境を整えたり、日常ケアを取り入れたりすることで、関節への負担軽減につながることがあります。
また「年齢のせい」と思っていた変化の中に、治療やサポートによって改善できるものが隠れていることもあります。「最近少し動きづらそう」「以前より散歩を嫌がるようになった」など、気になる変化がありましたらお気軽にご相談ください。
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