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スタッフブログ

犬の歩き方がいつもと違う?|考えられる病気と応急処置、緊急度別の対応法

2025.09.16

愛犬が片足を浮かせていたり、足を引きずって歩いていたり、いつもと比べて足音が変わったように感じたことはありませんか?
こうした異変を見たとき、「少しひねっただけかも」「しばらく様子を見よう」と判断する飼い主様もいらっしゃいます。

しかし、歩き方の異常の中には、関節や神経の病気、骨折や脱臼などのケガが隠れていることも少なくありません。
犬は痛みを我慢しやすい動物です。そのため、見た目でわかるような変化が出てきた時点で、すでに症状が進行していることもあります。

今回は、犬の歩き方に異常を感じたときに飼い主様が取るべき対応、考えられる原因や応急処置の方法、そして病院に行くべきかどうかの判断ポイントについて解説します。

■目次
1.足を引きずる症状から考えられる主な原因
2.緊急度別|病院に行くべきか迷ったときの判断ポイント
3.自宅でできる応急処置と、やってはいけない対応
4.診察方法
5.初診時に伝えておきたい情報
6.治療法と通院計画
7.まとめ

 

足を引きずる症状から考えられる主な原因

足を引きずる、足を浮かせる、歩きたがらないといった症状にはさまざまな原因が考えられます。
以下では、主な原因をいくつかのタイプに分けてご紹介します。

 

<外傷によるもの>

日常の中で起こりやすいケガが原因となるケースです。

・遊んでいてぶつかった
・滑って足をひねった
・肉球を何かで切ってしまった
・爪が折れた

こうした場合は突然起こることが多く、足を地面につけない・腫れている・出血している・患部をしきりに舐めるといった行動が見られます。

 

<関節の病気(関節疾患)>

加齢や体の構造によって起こる関節の異常です。

・関節炎(高齢犬に多い)
・膝蓋骨脱臼(パテラ)
・レッグペルテス病(股関節の骨の壊死)

これらは少しずつ症状が進行するのが特徴で、歩き方がゆっくり不自然になっていく傾向があります。犬種や年齢によって発症しやすい病気があるため、注意が必要です。

膝蓋骨脱臼(パテラ)についてはこちらで解説しています
レッグペルテス病についてはこちらで解説しています

 

<神経系の障害>

神経の圧迫や損傷によって足が動かしにくくなる病気です。

・椎間板ヘルニア
・脊髄の疾患や損傷

このような場合、足先の感覚が鈍くなる、ふらつきが見られる、足を引きずるなどの症状が出ることがあります。
進行すると立ち上がれなくなることもあるため、早めの受診が重要です。

椎間板ヘルニアについてはこちらで解説しています

 

<犬種・年齢別に多い傾向>

犬種や年齢によって、かかりやすい病気には以下のような傾向があります。

・小型犬:膝蓋骨脱臼(パテラ)、レッグペルテス病、椎間板ヘルニア
・大型犬:股関節形成不全、前十字靭帯断裂、骨肉腫
・シニア犬:関節炎、神経疾患(特に後ろ足のふらつきなど)

 

緊急度別|病院に行くべきか迷ったときの判断ポイント

「今すぐ病院に連れて行くべき?それとも様子を見ても大丈夫?」そう迷われる飼い主様は少なくありません。
そこで、以下のように緊急度を3段階に分けて考えることで、受診のタイミングを判断しやすくなります。犬の歩き方の異常と緊急度の違いを示すイラスト。左は触られるのを嫌がる犬(緊急度高)、中央は少しぎこちなく歩く犬(緊急度中)、右は足を時々気にしている犬(緊急度低)

<🔴緊急度:高|できるだけ早く、24時間以内に受診を>

以下のような症状が見られる場合は、急を要する可能性があるため、できるだけ早めに動物病院を受診してください。

・まったく足を地面につけない
・痛がって患部に触れさせず、怒って噛もうとする
・足が大きく腫れている、熱を持っている
・発熱やぐったりしているなど、全身の症状がある

 

<🟠緊急度:中|数日以内の受診をおすすめ>

急ぎではないものの、症状が続いている場合は数日以内に病院で診てもらいましょう。

・時々足を浮かせる、動き出しのときだけ違和感がある
・歩き方が少しぎこちないが、日常生活には大きな支障がない
・良くはならないが、悪化もしていない状態が続いている

 

<🟡緊急度:低|経過観察が可能>

明らかに改善傾向が見られる場合や、一時的な症状と思われる場合は、まずは安静にして様子を見る選択も可能です。

・軽く足を気にしているが、時間とともに落ち着いてきている
・運動や遊びの直後だけに症状が見られ、安静にすると消える
・数時間〜1日で症状が明らかに軽くなっている

※ただし、少しでも「いつもと違う」と感じたら、迷わず動物病院に相談するのが安心です。

 

自宅でできる応急処置と、やってはいけない対応

愛犬の歩き方に異常が見られたとき、まずは落ち着いて「今できること・やってはいけないこと」を正しく判断することが大切です。
以下に、自宅でできる基本的な応急処置と、逆に避けるべき行動をまとめました。

 

<応急処置のポイント>

愛犬の体に負担をかけず、安静を保つことが第一です。

 

歩かせずに安静にさせる
できるだけ動かさず、落ち着ける場所で休ませましょう。

 

冷やしても嫌がらない場合は、患部を冷却する
関節や腫れている部分に、タオルで包んだ保冷剤を10分程度当てます。
※嫌がるようであれば、無理に冷やす必要はありません。

 

ケージやサークルを使って安静な環境を整える
動き回らないようにし、静かな場所で様子を見守りましょう。

 

<やってはいけないこと⚠️>

一見よさそうに思える対応でも、逆に症状を悪化させてしまうことがあります。

・むやみにマッサージやストレッチをしない
・無理に歩かせようとしない
・人間用の痛み止めを与えない
・ネットの情報だけで判断しない

 

診察方法

動物病院では、まず視診(見て判断)と触診(手で触れて確認)を通じて、痛みのある部位や異常の兆候を確認します。
歩き方の観察や、関節の可動域(動く範囲)・神経の反応をチェックしながら、考えられる原因を少しずつ絞り込んでいきます。
さらに、必要に応じて以下のような検査が行われます。

 

レントゲン検査
骨折・脱臼・関節の変形など、骨の異常を確認します。

 

超音波検査
筋肉や靭帯、軟部組織など、骨以外の組織の状態をチェックします。

 

血液検査
炎症の有無や内臓の状態を確認し、内科的な疾患の可能性を探ります。

 

CT/MRI
脊髄や神経などの詳細な確認が必要な場合に行います。
※設備の関係で、対応可能な施設へ紹介されることがあります。

 

初診時に伝えておきたい情報

犬の足の異常をスマホで撮影して獣医師に見せる飼い主のイラスト。自宅での様子を動画に残し、動物病院で症状を伝える流れを表現
診察をスムーズに進めるために、以下のような情報をあらかじめ整理しておくと安心です。

・症状が出始めた時期(いつからか)
・きっかけになった出来事(ジャンプ、階段の上り下り、激しい運動など)
・どの足に症状があるか(前足/後ろ足、右か左か)
・痛みや違和感があるときの仕草(鳴く、足をかばう、座りたがる など)
・普段の運動量や生活環境(散歩の頻度、床の滑りやすさなど)

正確な情報がそろっていると、より的確な診断や治療につながります。
ご自宅での様子を動画で記録しておくと、診察時にとても参考になります。

 

治療法と通院計画

歩き方の異常が見られた場合には、症状の原因や重症度に合わせて、内科的な治療だけでなく、外科的な対応が必要になることもあります。

 

<内科的治療(手術を行わない場合)>

比較的軽度な症状や、慢性疾患の初期段階では、以下のような方法で体の負担を軽減していきます。

消炎鎮痛剤の投与
炎症や痛みを抑えるためのお薬を使用します。

 

関節保護サプリメントや内服薬の使用
グルコサミンやコンドロイチンなどが含まれるお薬で、関節の健康をサポートします。

 

安静指導や体重管理
運動の制限や、肥満による関節への負担軽減も重要な治療の一環です。

 

< 外科的治療(手術が必要な場合)>

以下のような症状では、手術による治療が必要になることがあります

・膝蓋骨脱臼(パテラ)
・靭帯の損傷
・骨折や脱臼
・股関節形成不全 など

手術は麻酔下で行う整復や固定処置が中心となり、術後には数週間~数か月にわたるリハビリが必要となる場合もあります。

 

<通院スケジュールの目安>

治療の内容や回復のスピードに応じて、通院の頻度も変わっていきます。

・治療初期:週1回程度の通院で、経過や反応をしっかりと確認します。
・状態が安定したら:月1回程度の定期チェックに移行することが多いです。
・慢性疾患の場合継続的な投薬やサプリメント、定期的なリハビリが必要になることもあります。

 

まとめ

愛犬の歩き方に違和感を覚えたとき、「まだ歩けているから大丈夫」と様子を見てしまうこともあるかもしれませんが、歩き方の異常は体からの大切なサインです。
当院では、関節や神経に関わる整形外科的な疾患についても診療体制を整えており、必要に応じた検査や外科的処置にも対応しています。
歩き方に少しでも「いつもと違うな」と感じたら、お気軽にご相談ください。

 

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