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2026.10.23
愛犬や愛猫が急に倒れてけいれんすると、多くの飼い主様は驚かれることでしょう。
すぐに受診が必要な場合もあれば、獣医師の指示に沿って自宅で経過を見られる場合もあります。
まずは落ち着いて発作の長さや様子を確認し、対応に迷うときは動物病院を頼りましょう。
今回は、発作が起きたときの対応と受診の目安、前兆として表れる変化、検査と治療について解説します。
■目次
1.発作が起きたとき、まず行うこと
2.すぐに受診すべき目安は?様子見はできる?
3.発作の前に見られるサインや気づきにくい変化はある?
4.てんかん発作とはどのような状態か|原因と種類
5.動物病院で行う検査
6.治療と日常での付き合い方
7.よくある質問
8.まとめ|発作を目撃したときの行動と受診の目安
発作の多くは、短時間でおさまります。慌てずに、次のポイントに沿って行動しましょう。
・周囲の家具や物を遠ざけ、転落や衝突を防ぐ
・発作が続いた時間を計る
・可能であれば、スマートフォンで動画を撮る
・口に手や物を入れない、体を押さえつけない
・普段の様子に戻るまで、水を飲ませたり食べ物を口にさせたりしない
発作が5分以上続く場合は、緊急の対応が必要です。おさまるのを待たず、すぐに動物病院へ連絡してください。
℡:075-744-6188
【診療時間 9:30〜12:30/16:00〜19:00(日曜・祝日休診)】
診療時間外でも、お電話をいただければ可能な限り対応いたします。
発作は、起こり方によって受診を急ぐ度合いが変わります。
次のような場合は「重積発作」が疑われ、緊急の対応が必要です。
・1回の発作が5分以上続いている
・意識が十分に戻らないうちに、次の発作が起きた
発作が長く続くと、脳や全身への負担が大きくなるおそれがあります。すぐにかかりつけの動物病院へ連絡しましょう。夜間の場合は、救急対応の可能な動物病院へ連絡してください。
・24時間以内に2回以上の発作が起きた
24時間以内に発作を繰り返す場合は、その後さらに発作が続く可能性があります。2回目の発作が起きた時点で動物病院へ連絡し、その日のうちに受診してください。
短時間に発作を繰り返す状態は、回数によっては「群発発作」にあたり、緊急性が高くなります。
数分以内におさまり普段の様子に戻った場合も、初めての発作であれば、早めに動物病院へ連絡して受診してください。
発作の背景には、低血糖や肝臓・腎臓の病気、中毒、脳の腫瘍など、治療を急ぐ病気が隠れていることがあります。原因を調べ、てんかんかどうかを見分けるために受診が必要です。
既にてんかんと診断され、獣医師から発作時の対応について指示を受けている場合は、短時間の発作がおさまり普段の様子に戻れば、自宅で経過を見られることもあります。
ただし、発作が長く続く、回数が増える、普段の状態に戻らない場合は、動物病院へ連絡してください。
判断に迷うときも遠慮なくお電話でご相談ください。当院では、受診が必要かどうかや、移動時の留意点についてもお伝えいたします。
発作の前には、次のような変化が見られることがあります。
・そわそわと歩き回る、落ち着きがない
・いつも以上に甘える
・物陰に隠れる
また、次のような様子は、発作の前兆ではなく既に「焦点発作」が始まっている可能性があります。
・よだれが増える
・口をペチャペチャ鳴らす
・一点を見つめたまま反応が乏しくなる
発作のたびに同じ様子が先に表れる場合は、発作前の変化として記録し、獣医師に伝えましょう。
犬では、体がこわばって横に倒れ、手足を漕ぐように動かす全身のけいれんが見られます。よだれが増えたり、尿や便が出たりすることもあります。
一方で、体の一部だけに症状が表れる焦点発作もあります。
また、猫では「口をクチャクチャさせる」「顔がピクつく」「急に走り回る」といった、気づきにくい症状で表れることもあります。
普段のしぐさと区別しにくいため、気になる動きは可能な範囲で動画に残しておきましょう。
突然倒れたり体が震えたりする症状が、すべて発作とは限りません。次のような状態でも、発作に似た様子が見られることがあります。
・失神:心臓などの病気が原因で一時的に意識を失って倒れ、短時間で回復する
・前庭疾患:首が傾く、目が揺れる、ふらつくなどの症状が見られ、意識は保たれている
・震え:痛みや寒さなどで体が震え、意識が保たれている場合がある
・逆くしゃみ:鼻を鳴らすような音を出しながら、繰り返し強く息を吸い込む
意識や反応の有無は手がかりのひとつになりますが、ご家庭での判断は難しいため、迷った場合は動物病院へご相談ください。
犬が突然立てなくなったときの原因と対応についてはこちらで解説しています
てんかん発作は、脳の神経細胞に一時的な異常な電気活動が起こることで生じます。こうした発作を繰り返し起こす性質を持つ脳の病気を「てんかん」といいます。
ただし、低血糖や中毒などによる発作は、てんかんとは区別して考えます。
発作の種類には、脳の一部から始まる「焦点発作」と、脳の両側に広く関わる「全般発作」があります。焦点発作から全身のけいれんへ広がる場合もあります。
てんかんは、原因によって「特発性てんかん」と「構造的てんかん」などに分類されます。
・特発性てんかん:脳に明らかな構造上の異常が確認されないてんかん
・構造的てんかん:脳腫瘍や脳炎など、脳の病気が原因で起こる
犬の特発性てんかんは、生後6か月から6歳の発症が診断の目安のひとつですが、症状や検査結果もあわせて判断します。
当院ではまず、全身の状態を確認し、低血糖や内臓の病気などを調べます。
・問診
・身体検査
・神経学的検査(歩き方や反射を見る)
・血液検査
・必要に応じたレントゲン検査
検査結果などから特発性てんかんが疑われる場合は、MRI検査を行わずに治療を開始することもあります。脳の病気を詳しく調べる必要がある場合は、当院から対応できる施設をご紹介します。
てんかんの治療は、抗てんかん薬の内服が中心です。原因となる病気が確認された場合は、その病気への治療も検討します。
治療では、発作の回数や程度をおさえ、持続時間を短くすることで、日常生活への影響を減らすことを目指します。
使用する薬に応じて定期的に血液検査を行い、効果や副作用を確認しながら投薬量を調整します。
例えば、犬の特発性てんかんでは、6か月以内に2回以上の発作が見られる場合や、重積発作・群発発作を起こした場合などに、薬による治療の開始を検討します。
投薬は自己判断で中断しないでください。急に薬をやめると、発作が悪化するおそれがあります。
ご家庭では、発作の日時と続いた時間、発作の様子、前後の変化を記録しておきましょう。動画とあわせて受診時にお見せいただくと、治療方針や薬の量を見直す判断に役立ちます。
Q.てんかんになりやすい犬種はありますか?
A.ビーグルやゴールデン・レトリーバー、ボーダー・コリーなどでは、特発性てんかんとの関連が報告されています。ただし、犬種に関わらず発症する可能性があります。
Q.てんかんは治りますか?
A.特発性てんかんは、抗てんかん薬で発作をおさえながら、長期的に付き合っていくことの多い病気です。脳の病気などが原因の場合は、その病気の種類や治療への反応によって経過が異なります。
Q.発作中にしてはいけないことは何ですか?
A.口に手や物を入れず、体を押さえつけないでください。発作後も、普段の様子に戻るまで飲食は控えましょう。
Q.てんかんは寿命に影響しますか?
A.てんかんが予後に与える影響は、原因や発作の頻度・程度、治療への反応などによって異なります。特に重積発作や群発発作は命に関わることがあるため、速やかな対応が必要です。
Q.初期症状はどう見分ければよいですか?
A.そわそわする、物陰に隠れるなどの変化が見られることがあります。前兆と発作の区別は難しいため、動画や記録をもとに獣医師にご相談ください。
発作を目撃したら、周囲の安全を確保し、続いた時間を計るようにしましょう。
5分以上続く場合や、意識が十分に戻らないまま次の発作が起きた場合は、緊急の対応が必要です。速やかにご連絡ください。
京都北山動物病院では、受診の判断から検査、治療と経過の確認まで、地域のかかりつけ病院として対応しています。「受診すべきか分からない」という段階でも構いません。まずはお電話でご相談ください。
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【監修】京都北山動物病院 院長 宮本 修治(獣医師)
更新日:2026年10月23日
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