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2026.08.03
愛犬が足を引きずる様子に気づいたときに「少し痛めただけかな」と様子を見ようとされる飼い主様も多いかもしれません。
実際には、足を引きずる原因はひとつではなく、骨や関節の異常だけでなく神経の病気が関係していることもあります。また、原因によって必要な治療は異なるため、まずは原因を見極めることが大切です。
今回は、犬が足を引きずる原因や整形外科疾患と神経疾患の違い、ご家庭で確認したいポイントや受診の目安について解説します。
■目次
1.犬が足を引きずる原因とは?|整形と神経の違い
2.整形外科疾患と神経疾患|それぞれの特徴
3.ご家庭で確認したいポイントと受診の目安
4.動物病院ではどのように原因を調べる?
5.まとめ|足を引きずる原因を見極めることが大切です
犬が足を引きずったり、片足を浮かせて歩いたりする状態は「跛行(はこう)」と呼ばれます。跛行とは、足をかばう、浮かせる、引きずるなど、正常とは異なる歩き方の総称です。
跛行の原因はさまざまですが、大きく分けると次の2つに分類されます。
🔶 整形外科疾患
骨や関節、筋肉、靭帯など、体を支える組織に異常が起こることで生じるものです。
痛みを伴うことが多く、痛みのある足をかばうような歩き方が見られます。
🔶 神経疾患
脳や脊髄、末梢神経などに異常が起こることで、足を思うように動かせなくなる状態です。
痛みだけでなく、ふらつきや麻痺などがみられることもあります。
どちらも「足を引きずる」という症状として表れることがあるため、ご家庭で原因を見分けることは簡単ではありません。そのため、歩き方に異変が見られた場合は、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。
足を引きずる原因によって、見られやすい症状には違いがあります。ここでは、整形外科疾患と神経疾患、それぞれの特徴をご紹介します。
整形外科疾患では、次のような痛みがある足をかばうような歩き方が見られることが多くあります。
・足を浮かせて歩く
・足を着くことを嫌がる
・体や足を触ると痛がる
・運動や散歩の後に症状が強くなる
考えられる病気としては、
・膝蓋骨脱臼(パテラ)
・前十字靭帯断裂
・股関節形成不全
・骨折
・変形性関節症
などが挙げられます。
膝蓋骨脱臼(パテラ)についてはこちらで解説しています
前十字靭帯断裂についてはこちらで解説しています
股関節形成不全についてはこちらで解説しています
骨折についてはこちらで解説しています
変形性関節症についてはこちらで解説しています
神経疾患では、次のように痛みよりも「足を思うように動かせない」ことが目立つ場合があります。
・足元がふらつく
・足先を引きずる
・足先が裏返ったまま歩く(ナックリング)
・後ろ足に力が入りにくい
考えられる病気には、
・椎間板ヘルニア
・脊髄疾患
などがあります。
ただし、整形外科疾患と神経疾患では似たような症状が表れることも少なくありません。また、痛みの感じ方や症状の表れ方にも個体差があります。そのため「足を引きずっているから整形外科」「ふらつくから神経」と一律に判断することはできず、診察や検査を通して原因を見極めることが重要です。
愛犬が足を引きずっていることに気付いたら、まずは、どのような様子が見られるのかを確認しておくと、診察の際にも役立ちます。
例えば、次のような点を観察してみましょう。
・いつ頃から症状が出ているか
・どの足をかばっているか
・足を触ると痛がる様子はあるか
・転倒やジャンプなど、きっかけになりそうな出来事はあったか
・症状が良くなっているか、それとも悪化しているか
こうした情報は、原因を絞り込むための大切な手がかりになります。
次のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
・足をまったく着こうとしない
・強い痛みがあるように見える
・足を引きずる状態が続いている
・ふらつきや麻痺がみられる
・元気や食欲の低下を伴っている
また「そのうち治るかもしれない」と様子を見続けたり、無理に散歩をさせたりすることで、症状が悪化してしまう場合もあります。足を引きずる原因はさまざまですので、気になる症状が続く場合は、早めに相談することをおすすめします。
犬が足を引きずる原因を特定するためには、歩き方だけで判断するのではなく、さまざまな情報を組み合わせながら総合的に評価します。
🔶 問診
まずは症状がいつから始まったのか、どのような場面で気付いたのかなどを詳しくお伺いします。
🔶 歩き方や姿勢の確認
実際に歩いている様子を確認し、どの足に異常があるのか、どのような歩き方をしているのかを観察します。
🔶 触診
関節の動きや筋肉の状態、痛みのある場所などを確認します。
整形外科疾患が疑われる場合だけでなく、神経疾患との違いを見極めるためにも重要な検査です。
🔶 神経学的検査
必要に応じて、反射や足の動きなどを確認し、神経に異常がないかを評価します。
🔶 必要に応じて画像検査
診察結果をもとに、必要に応じてレントゲン検査やCT検査、MRI検査などの画像検査を行います。
症状や疑われる病気によって適した検査は異なるため、その子の状態に合わせて選択します。診察や検査で原因を正しく見極めたうえで、その子に合った治療方針をご提案します。
犬が足を引きずる原因は、骨や関節などの整形外科疾患だけではありません。神経疾患が関係していることもあり、見た目だけで原因を判断することは難しい場合があります。原因によって必要な治療方法は異なるため、まずは原因を見極めることが大切です。
京都北山動物病院では、歩き方や姿勢、触診、必要に応じた神経学的検査や画像検査を組み合わせながら、原因を総合的に判断しています。「足を引きずるようになった」「歩き方がいつもと違う気がする」といった気になる変化がありましたら、お気軽にご相談ください。
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