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2026.08.21
犬の椎間板ヘルニアと診断され、「手術が必要と言われたけれど、本当に受けた方がよいのだろうか」「どのような手術をするのだろう」と不安を感じる飼い主様も多いのではないでしょうか。
椎間板ヘルニアでは、すべての症例で手術が必要になるわけではありません。一方で、神経への圧迫が強い場合には、できるだけ早く手術を行うことで回復が期待できるケースもあります。
今回は、犬の椎間板ヘルニアで行われる減圧術(げんあつじゅつ)の種類や、どのような場合に手術を検討するのか、術後の経過や再発予防について解説します。
■目次
1.椎間板ヘルニアではどんなときに手術が必要になる?
2.減圧術とは?椎間板ヘルニアで行われる手術
3.手術後の回復はどのように進むの?
4.術後のリハビリと再発予防
5.まとめ|手術が必要かどうかは状態に応じて判断します
椎間板ヘルニアでは、飛び出した椎間板によって脊髄や神経が圧迫されることで、痛みや歩行異常、麻痺などの症状が表れます。
症状が軽い場合には、安静や内服薬などの保存療法で改善が期待できることもありますが、次のような場合には手術が検討されます。
・麻痺が進行している
・自力で立ったり歩いたりできない
・強い痛みが続いている
・保存療法で十分な改善がみられない
・神経への圧迫が強いと判断された
手術が必要かどうかは、症状だけではなく、神経学的検査やMRIなどの画像検査をもとに総合的に判断します。
椎間板ヘルニアで行われる代表的な手術が「減圧術」です。減圧術とは、脊髄や神経を圧迫している椎間板物質を取り除き、神経への圧迫を軽減することを目的とした手術です。
椎間板ヘルニアは、首に起こる場合もあれば、胸から腰にかけて起こる場合もあります。また、椎間板物質の位置や広がり方も一頭ずつ異なるため、病変へ安全にアプローチできる方法を選ぶ必要があります。
🔶 片側椎弓切除術(ヘミラミネクトミー)
もっとも一般的に行われる減圧術のひとつです。背骨の一部を片側から開き、飛び出した椎間板物質を取り除いて神経への圧迫を解除します。主に胸腰部の椎間板ヘルニアで行われることが多く、病変を直接確認しながら処置を進められる術式です。
🔶 小窓形成術(ミニヘミラミネクトミー)
片側椎弓切除術よりも骨を開く範囲を小さくした術式です。病変の大きさや位置によって選択されることがあり、必要な範囲だけにアプローチできる場合があります。
🔶 腹側スロット術(ベントラルスロット)
首(頸部)の椎間板ヘルニアで選択されることがある術式です。首の前側からアプローチし、神経を圧迫している椎間板物質を取り除きます。
これらの術式には、それぞれ適した部位や病変があります。「どの手術が一番良い」というものではなく、症状や画像検査の結果をもとに、その子の状態に合った方法を選択することが大切です。
椎間板ヘルニアの手術は、飛び出した椎間板による神経への圧迫を取り除き、神経機能の回復を目指すために行いますが、術後の経過や回復のペースは犬によって異なります。手術後すぐに動きが改善する犬もいれば、リハビリを続けながら少しずつ回復していく犬もいます。
回復の見込みを考えるうえでは、主に次のような点を確認します。
・発症から治療を始めるまでの時間
・神経症状の重症度(グレード)
・痛覚が残っているか
・年齢や全身状態
これらを総合的に評価しながら、その子の状態に合った治療や術後のサポートを検討していきます。
また、一般的には、神経症状が重くなる前に治療を始められるほど、回復が期待しやすいとされています。歩き方の変化や麻痺などが見られた場合は、今後の見通しも含めて早めに相談することをおすすめします。
手術後は、安静期間を設けたうえで、その子の回復状況に合わせて少しずつ体を動かしていきます。必要に応じてリハビリテーションも取り入れながら、無理のないペースで筋力や歩行機能の回復を目指します。
ご家庭では、次のような工夫が術後の回復を支え、再発リスクを抑えることにもつながります。
・獣医師から指示された安静期間を守る
・滑りにくい床環境を整える
・段差や急なジャンプを避ける
・適正体重を維持する
・回復状況に合わせて運動を再開する
運動を再開する時期や内容は、その子の症状や回復段階によって異なります。焦って動かしたり、反対に長期間安静を続けたりせず、獣医師と相談しながら調整していきましょう。
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また、手術した部位の経過が良好でも、別の椎間板で新たにヘルニアが起こることがあります。術後も定期的に動物病院で状態を確認し、歩き方や神経症状に変化がないか見守っていくことが大切です。
犬の椎間板ヘルニアでは、すべての症例で手術が必要になるわけではありません。一方で、神経への圧迫が強い場合や麻痺が進行している場合には、減圧術が回復につながる可能性があります。
大切なのは「手術をするかしないか」だけではなく、その子の症状や重症度、発症からの経過などを総合的に評価し、適した治療を選択することです。
京都北山動物病院では、神経学的検査や画像検査をもとに状態を詳しく確認し、それぞれの症例に応じた治療方針をご提案しています。「手術が必要と言われたけれど迷っている」「今の状態でどのような治療が適しているのか相談したい」といった場合も、まずはお気軽にご相談ください。
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