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スタッフブログ

犬や猫の整形外科疾患の再発予防|関節を長く守るための生活習慣と定期チェック

2026.06.26

愛犬や愛猫の整形外科疾患の治療や手術が終わると「これでひと安心」と感じる飼い主様も多いのではないでしょうか。しかし、整形外科疾患の中には、治療後も再発や進行に注意が必要なものがあります。

とはいえ、必要以上に不安になる必要はありません。日々の生活管理や定期的なチェックを続けることで、再発や進行のリスクを下げられる可能性があります。

今回は、整形外科疾患の再発や進行が起こる理由、ご家庭でできる予防のポイント、定期チェックの重要性について解説します。

■目次
1.なぜ再発や進行が起こるの?
2.再発予防のためにご家庭でできること
3.疾患別|再発や進行を防ぐために知っておきたいこと
4.定期チェックと術後フォローでできること
5.まとめ|整形外科疾患は治療後の管理も大切です

 

なぜ再発や進行が起こるの?

整形外科疾患は、治療や手術によって症状が改善しても、その後の管理が重要になるケースが少なくありません。関節や靭帯は毎日の生活の中で常に負担がかかるため、年齢や生活習慣の影響を受け続けます。

例えば次のような要因は、再発や進行のリスクにつながることがあります。

体重が増えて関節への負担が大きくなる
運動不足によって筋力が低下する
加齢により関節機能が少しずつ低下する

また、整形外科疾患には「対側発症」と呼ばれる考え方もあります。これは、片方の足に問題が起きた後に、反対側の足にも同じようなトラブルが起こることです。

例えば膝蓋骨脱臼(パテラ)や前十字靭帯断裂では、片側の治療後に反対側へ負担がかかり、後から同様の症状が見つかるケースもあります。

 

再発予防のためにご家庭でできること

再発予防というと特別な治療やリハビリをイメージされるかもしれません。しかし、実際には毎日の生活の中で取り組めることも数多くあります。

適正体重を維持する

体重管理は、整形外科疾患の再発予防において非常に重要なポイントです。肥満になると関節や靭帯への負担が大きくなり、痛みや炎症の悪化につながることがあります。

また、体重が増えることで運動量が減り、筋力が低下するとさらに関節への負担が大きくなるという悪循環に陥ることもあります。

適度な運動を続ける

再発を心配するあまり「なるべく動かさない方が良いのでは」と考える飼い主様もいらっしゃいます。しかし、極端な運動制限は筋力低下につながり、かえって関節を支える力を弱めてしまうことがあります。

一方で、激しい運動や急なダッシュ、ジャンプなどは関節や靭帯に大きな負担をかける可能性があります。その子の年齢や疾患、回復状況に合わせて、無理のない運動を継続することが大切です。運動量に迷う場合は、獣医師と相談しながら調整していきましょう。

生活環境を見直す

毎日過ごす環境も、整形外科疾患の再発予防に大きく関わります。例えば次のような工夫は、関節への負担軽減につながります。

フローリングに滑り止めマットを敷く
段差を減らす
ソファやベッドへの飛び乗りを防ぐ
無理なく移動できる導線を作る

特にシニア期に入った犬や猫では、筋力やバランス能力の低下も考慮した環境づくりが重要になります。

日々の様子を観察する

整形外科疾患の再発や進行は、日常の小さな変化として現れることがあります。例えば、次のような変化が見られる場合は注意が必要です。

歩き方が以前と違う
立ち上がるのに時間がかかる
散歩を嫌がる
高い場所に登らなくなった

犬や猫は痛みを我慢することも多いため「元気そうだから大丈夫」と判断せず、小さな変化にも目を向けてあげましょう。

 

疾患別|再発や進行を防ぐために知っておきたいこと

整形外科疾患と一口にいっても、再発や進行の仕方は疾患によって異なります。それぞれの特徴を知っておくことで、日々の管理にも役立ちます。

🔶 膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼では、片側だけに症状が見られていても、後から反対側の足に症状が表れることがあります。そのため、症状が出ていない側についても継続的な観察が重要です。また、体重管理筋力維持も、膝への負担を軽減するうえで大切なポイントになります。

膝蓋骨脱臼(パテラ)についてはこちらで解説しています

🔶 前十字靭帯断裂
前十字靭帯断裂は、反対側の靭帯にも負担がかかりやすく、対側発症が比較的多い疾患として知られています。そのため、術後も体重管理適切な運動を続けながら、反対側の足を含めて長期的な管理を続けていくことが大切です。

前十字靭帯断裂についてはこちらで解説しています

🔶 椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアでは、一度治療した部位だけでなく、別の椎間板に新たなトラブルが起こることがあります。体重管理生活環境の見直しはもちろん、無理なジャンプや急な動きを避けることも重要です。

椎間板ヘルニアについてはこちらで解説しています

🔶 レッグペルテス病
レッグペルテス病では、術後の筋力の回復や維持が重要になるため、適切な運動経過観察を継続していく必要があります。また、反対側の足の状態についても注意深く見ていくことが大切です。

レッグペルテス病についてはこちらで解説しています

🔶 股関節形成不全・変形性関節症
股関節形成不全や変形性関節症は、完治を目指すというよりも、進行を抑えながら快適な生活を維持していくことが治療の中心になります。症状が落ち着いている時期でも、体重管理適度な運動生活環境の整備を続けながら、長期的に関節を守っていくことが大切です。

股関節形成不全についてはこちらで解説しています
変形性関節症についてはこちらで解説しています

 

定期チェックと術後フォローでできること

整形外科疾患は、症状が落ち着いていても動物病院での定期的な確認を続けることが大切です。飼い主様から見ると変わりなく過ごしているように見えても、関節や筋肉には少しずつ変化が起きていることがあります。

定期チェックで確認すること

定期診察では、主に次のような項目を確認します。

歩行状態に変化がないか
関節や筋肉の状態
触診による痛みや違和感の有無
必要に応じたレントゲン検査

これらを定期的に確認することで、症状の再発や進行の兆候を早期に発見できる場合があります。

状態に応じて行うサポート

定期チェックでは状態確認だけでなく、その時々の状況に合わせた次のようなサポートも行います。

運動量の見直し
生活環境の改善提案
体重管理のアドバイス
痛みのコントロール
リハビリテーション

リハビリというと病院で行うものをイメージされるかもしれませんが、ご家庭でできる運動やケアについてご提案することもあります。

整形外科手術後の運動についてはこちらで解説しています
整形外科手術後の在宅ケアについてはこちらで解説しています

継続的なフォローのメリット

継続的に状態を確認していくことで、再発や進行の早期発見につながる可能性があります。また、年齢や生活環境の変化に合わせて管理方法を調整できることも大きなメリットです。

特にシニア期では体力や筋力の変化も起こりやすいため、その時々に合わせたサポートを受けながら管理していくことが大切です。

シニア期の関節サポートについてはこちらで解説しています

 

まとめ|整形外科疾患は治療後の管理も大切です

整形外科疾患では、治療や手術によって症状が改善した後も、再発や進行のリスクが完全になくなるわけではありません。

しかし、適正体重の維持や生活環境の見直し、定期的なチェックを続けることで、そのリスクを下げられる可能性があります。整形外科疾患の管理では、異常が出てから受診するだけでなく、元気なうちから定期的に状態を確認することが、関節の健康を長く守るために役立ちます。

京都北山動物病院では、整形外科疾患の治療だけでなく、術後フォローや長期的な関節ケアにも力を入れています。当院で治療を受けた犬や猫はもちろん、他院で手術や治療を受けた犬や猫についてもご相談いただけます。

「今の管理方法で大丈夫だろうか」「再発予防のために何をすればよいのか知りたい」といったことがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

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